芥川龍之介自殺
1927/07/24
動機は “ぼんやりとした不安”!? わかる気がする 龍之介の自殺。
    
1917/10/20   芥川龍之介「戯作三昧」連載開始 (大阪毎日新聞)
1918/05/02   芥川龍之介「地獄変」連載開始 (東京日日・大阪毎日新聞)
1927/07/24   芥川龍之介自殺
〜 久米正雄に託した「ある旧友へ送る手記」 〜
君は新聞の三面記事などに生活難とか、病苦とか、あるいはまた精神的苦痛とか、 いろいろの自殺の動機を発見するであろう。しかし僕の経験によれば、それは動機の全部ではない。 のみならず大抵は動機に至る道程をしめしているだけである。 自殺者は大抵レニエの描いたように何のために自殺するかを知らないであろう。 それは我々の行為するように複雑な動機を含んでいる。が、少なくとも僕の場合はただぼんやりとした不安である。 何か僕の将来に対するただぼんやりとした不安である。
taro's トーク 芸術至上主義などと言われるが、taroの読んだ芥川作品はどれもみな作者のやさしさのにじみでたものだった。 そんな小説を書く彼が人一倍感じやすいとすれば、時代が彼を不安にさせるということもあながちありえないことではないのかもしれない。 この年、芥川の自殺までの半年ほどの間に、金融恐慌があり、政変があり、山東出兵があり、 経済も政治も軍事もドタバタで、どれもなんとなく怪しげで、いかにも昭和という時代の行く末を暗示するようだった。 すると、太平洋戦争は彼の自殺と無関係ではないのかもしれない。 だって、五十をすぎたガリガリの芥川先生が大きなリュックを背負って、満員電車につぶされそうになりながら食糧の買出しに、 なんて想像できないものな。
※ 「クリック20世紀」では、引用部分を除いて、固有名詞などの表記を極力統一するよう努めています。