血盟団事件A (団琢磨暗殺) 1932/03/05
〜 あああ 〜
あああ
taro's トーク
ああああああ
そのとき、日向ぼっこでもしているような恰好の二十一、二くらいの若者が、突然、
傍からとびだして、ブローニング六連発をむけると同時に発射した。
団はその場に倒れ、すぐに銀行の五階医務室に運ばれたが、かけつけた慈善病院の医師の治療も及ばず、
午後零時二十分ごろ絶命した。
医師がかけつけたときは十一時四十六分ごろで、そのときすでに団の瞳孔にはまったく反応がなく、
脈もとまっていたから、これもほとんど即死である。七十五歳であった。
ピストルの弾丸は彼の胸部を射抜いていた。
イガグリ頭に黒の背広をきた犯人は、その場で同銀行請願巡査にとり押えられたが、
これが菱沼五郎であった。
菱沼は茨城県那珂郡前渡村出身で、日召の指令によって初めは伊東巳代治の暗殺担当者であった。
松本清張 「昭和史発掘(4)」
P.218この本を入手
※ 「クリック20世紀」では、引用部分を除いて、固有名詞などの表記を極力統一するよう努めています。
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