参謀本部、トラウトマン工作打切りに反対 1938/01/15
〜 政府 vs 参謀本部 〜
多田参謀次長 :このチャンスを逃せば、長期戦になる。交渉を続けよう。
広田外相 :中国側に誠意がない。これ以上は無駄だ。外相の判断を信じないのか。
米内海相 :統帥部が外相を信用しないなら、政府は総辞職するしかないぞ。
taro's トーク
まるでわらしべ長者のお話のように、盧溝橋の“謎の銃弾”は局地的な武力紛争になり、日中全面戦争になり、泥沼化する。
この泥沼化した日中戦争こそがアメリカとの関係悪化の、そして太平洋戦争の根源だとtaroは考えている。
taroと同じように考える人は誰もが、ああ、このとき政府が参謀本部の意見を容れて、和平工作を続けていれば、と思うだろう。
その裏返しで、和平工作継続論を積極的に叩きつぶした人たちへの憎悪をtaroは抑えられない。
広田外相や米内海相は道理よりも恫喝によって、多田駿参謀次長の主張を退けた。
そして、多田の予測どおり、日中戦争は長期戦化し、泥沼化したのだ。
ちなみに、阿川弘之の「米内光政」では、このへんの事情はまったく触れられていない。
広田弘毅を主人公にした、城山三郎の「落日燃ゆ」では、まるで参謀本部が悪いかのごとく書かれている。
※ 「クリック20世紀」では、引用部分を除いて、固有名詞などの表記を極力統一するよう努めています。
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