ムッソリーニ逮捕 1945/04/27
〜 あああ 〜
あああ
taro's トーク
ああああああ
引用党員アウディシオは、『ベルモンテ荘』と呼ばれる別荘の前で停止を命じ、入口の鉄門に歩み寄って鍵がかかっているのを知ると、
首相ムソリーニと愛人クララに横の塀の前に立つよう指示した。
別荘の女中G・コルダッツォが不審に思って門に近づいてきたが、
党員アウディシオに一喝されて邸内にもどった。
「ひっこんでろッ。殺されるぞ」
首相ムソリーニと愛人クララが立つ塀を半周包囲する形に副旅団長モレッティらが配置し、
党員アウディシオが二人の前に進んで、とりだした紙片の文字を早口で読みあげた。
「自由イタリヤ義勇軍司令部の命令により、ここに、本官に与えられたイタリヤ人民のために正義を執行する権限を行使する」
少し離れた位置にいる運転手ジェニナッツァの耳には、その声はよく聞きとれなかったが、
つづいてひびいた愛人クララの叫びは良く聞こえた。
「そんな風に私たちを殺すことはできないはずよッ。できないことよッ」
「どいていろ。さもないと、お前から殺すぞ」
党員ウアディシオも、さすがに「単独処刑人」の立場に興奮しているとみえ、汗だくになってわめくと、
自動小銃を二人にむけて引き金をひいた。
だが、金属音はするが不発
―あわてた党員アウディシオは拳銃をぬきだしたが、
これまた不発・・・・・・。銃をくれ
―と、副旅団長モレッティに声をかけ、そのフランス製自動小銃を持ち直した。このとき、それまで無言で佇立していたムソリーニが、
上着のボタンをはずして前をひろげると、「さあ、胸を撃て」と声かけた。
それ声を合図のように愛人クララが前進して、党員アウディシオの持つ自動小銃の銃身をつかもうとした。
党員アウディシオは発砲し、心臓を射ぬかれて斃れる愛人クララの身体越しに、
首相ムソリーニにニ連射で九発を射ちこんだ。
ときに午後四時十分
―とつたえられているが、“個人的処刑”を終えた党員アウディシオは、
二人の死体をその場に放置してドンゴ村に引き返した。
※ 「クリック20世紀」では、引用部分を除いて、固有名詞などの表記を極力統一するよう努めています。
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