和田 博雄 1903 − 1967
[ わだ・ひろお ]
農相、経済安定本部長官、農政局長、企画院書記官、左派社会党政策審議会会長
エピソード 1終戦後の数年間は、公職追放なんかもあってとにかく人材難。
そんな中、経済政策で八面六臂の活躍をしたのがこの人。
農地改革、食糧危機打開、経済再建、むずかしい仕事を彼が中心になって解決していった。
そのあまりの活躍に、片山内閣の大番頭、西尾末広も相当なプレッシャーを受けていたようだ。
自らの地位を脅かされてか、疑心暗鬼を募らせ、経済政策がらみで政権の舵取りに失敗、内閣を崩壊させてしまうことになる。
引用和田は戦時中、企画院の官僚であったとき、その主張が社会主義だという理由で、弾圧を受け、
逮捕された経験があった。
いわゆる企画院事件といわれたものである。
戦後復活してきて、幣原内閣のとき、松村謙三農相のもとで農政局長のポストに就き、農地改革に打ち込んだ。
のちに社会党に入っていくほど、そのイデオロギーは社会主義であった。
戸川猪佐武 「小説 吉田茂」
P.214この本を入手
※ 「クリック20世紀」では、引用部分を除いて、固有名詞などの表記を極力統一するよう努めています。
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